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インタビュー・
クロストーク

訪問に来てOTから福祉用具にジョブチェンジした理由。

2026.04.29 Wed

今回お話を伺ったのは、ロジケアで福祉用具専門相談員として働く早光さんです。

作業療法士として病院リハビリ、訪問リハビリを経て福祉用具へ。少し珍しいキャリアの中で見えてきた、在宅で働くおもしろさ、リハビリと福祉用具のつながり、そしてロジケアという会社について語っていただきました。


回復期病院で感じていたこと

もともと僕は、4年制の専門学校で作業療法士の資格を取り、卒業後は回復期のリハビリ病院でセラピストとして働いていました。その後、ロジケアに入職し、2年ほど訪問リハビリに携わったのち、現在は福祉用具の仕事をしています。

病院時代は、限られた期間の中で、患者さんの社会復帰や在宅復帰に向けて関わる仕事をしていました。いろいろな方の回復過程を間近で見ることができることは、回復期病院で働くうえでの大きなやりがいでした。

一方で、ずっと回復期にいると、考え方が固定されてしまう部分もあると感じていました。

病院では、在宅復帰に向けてリハビリを行います。ただ、実際の在宅生活を想像しながら関わるのと、本当にその生活の場に入って見てみるのとでは、やはり違いがあります。

「こういうところで困るんやな」
「こういうところで手伝いが必要になるんやな」

実際に在宅の現場を見ないとわからない部分があると思っていました。

ロジケアを知ったのは、転職活動をしている時です。転職エージェントを通じて、いくつか紹介してもらった会社のひとつでした。

他と比べて印象に残ったのは、規模の大きさです。訪問看護はあっても福祉用具がない、ヘルパーがないというところもあります。リハビリと居宅介護支援が一緒になっているところはありますが、生活に直結するヘルパーや福祉用具まで一緒にあるところは、なかなかないと感じました。


病院で考えていた「在宅」と、実際の暮らしは違っていた

ロジケアに入職して訪問リハビリを始めると、病院で考えていたことと、実際の生活の場との違いを感じる場面がありました。

たとえば入浴です。作業療法士として、入浴動作は見るべき場面のひとつです。ただ、病院のお風呂と家のお風呂では、環境が全然違います。病院で家屋調査に行くことはあっても、実際にその家のお風呂に入るわけではありません。

病院では、「これがいいんじゃないか」「あれがいいんじゃないか」と提案することがありました。でも、訪問に出てみると、実際には買っていても使っていないものがあることに気づきました。

自助具についてもそうです。病院で勤務していた時は、靴下を履くための自助具などを作ることがありました。「こんなのを使ってください」と提案することはありましたが、訪問に出てから、実際にそれを使っている人に出会ったことはありません。

病院で考えていることと、在宅で生活する中で実際に使われるものには、差がある。そこは訪問に来て感じた大きなことでした。

利用者さんとの関わり方も、病院とは違います。基本的なスタンスは変わりませんが、病院では3ヶ月や半年といった期間が決まっている中で関わります。訪問では、関係がもっと長く続くことがあります。人によっては、最後まで関わることもあります。

だからこそ、こちらの考えを押すだけではなく、相手のことを尊重しながら進めていく必要があります。

病院では、フィールドは病院です。ある程度、病院のルールに沿って進めることができます。でも在宅では、フィールドは利用者さんのお家です。こちらが入らせてもらう立場なので、立ち入れない部分もあります。

それは難しさでもありますが、自分としては「違い」なのかなとも思っています。

在宅では、関係が続く分、経過を見ていけるところがあります。その時々で、利用者さんの目標が変わることもあります。たとえば、お孫さんが結婚するから、その時に向けてどうするかを考える。そういう生活の中の出来事に合わせて目標を変えていけるところは、在宅の魅力だと思います。



ロジケアに来て変わった働き方

回復期病院で働いていた頃は、朝9時から夕方5時半ごろまでリハビリがありました。その間にカルテや書類を書いたり、家屋調査に行けば報告書を作成したりしていました。正直、時間に余裕のある働き方ではなかったと思います。 

病院勤務の時はシフト制で、年末年始も休みではありませんでした。ゴールデンウィークやお盆も同じです。平日に1日休みがあっても、どこか遠出しようと思うと「明日また朝からあるし…」と考えてしまうところがありました。

ロジケアに来てからは、土日が休みになりました。まとまった休みがあることで、予定は立てやすくなりました。

僕はロジケアに来てから結婚し、子どもも生まれました。育休も4週間取りました。病院にいたままだったら、家族との時間はもっと少なかったかもしれないと思います。

収入についても、訪問に行けば給料が上がるという話は、この界隈で聞いていましたが、実際には倍近くに上がりました。

OTから福祉用具へ社内ジョブチェンジ

福祉用具には、もともと興味がありました。

理学療法士も福祉用具に触れることは多いと思いますが、作業療法士の方が、福祉用具や自助具に触れる場面は多少多いと思います。病院で家屋調査に行った時にも、福祉用具の業者さんと関わることがありました。

その中で、リハビリの視点から見ると、「これは少し違うんじゃないかな」「もっとこうしたら、この人は使いやすいんじゃないかな」と感じることがありました。ただ、領域が違うので、なかなか言いにくい部分もあります。

そんな時に、会社の中で福祉用具相談員募集の話がありました。リハビリ全体に声がかかって、自分は「やってみたい」と、すぐ手を挙げました。

福祉用具に移ってからは、リハビリの仕事は受けず、完全に移行しています。

仕事の対象は変わりました。リハビリでは、人に直接関わることが中心です。福祉用具では、どちらかというと物主体、環境主体になります。

ただ、根本的な考え方や伝え方は、どの職種でも共通していると思っています。相手にするものが、人から物や環境に変わったという違いはありますが、考え方そのものは大きく変わっていない部分もあります。


作業療法士の経験が、用具の提案に生きている

福祉用具の仕事では、作業療法士としての経験はかなり生きていると思います。たとえば手すりを考える時に、「段差があるからここに手すり」「利き手が右だから右につける」というようなテンプレでは、生活しにくい場合があります。

右利きでも、右側が悪い人であれば、左につけた方がいいかもしれません。そういうところは、病院で経験している分、考えやすいですし、感じやすい部分だと思います。

環境だけを見るのではなく、その人の状態や動き方も含めて考える。そこは、作業療法士としての経験が生きているところだと思います。

一方で、福祉用具の仕事に移ってから、覚えることはたくさんありました。提案した時に、「これは何が違うんですか」と聞かれて説明できないといけません。

歩行器ひとつを取っても、思っていたより種類があります。知らないことも多かったので、それぞれの違いを知ることは、最初に頑張ったところです。細かい話ですが、歩行器のハンドルの形も、自分が思っていたものとは違う形にできるものがありました。それによって、「これなら姿勢が起きやすいな」と感じることもあります。そういう小さい発見は、福祉用具に移ってからたくさんありました。


福祉用具は、すぐに生活を変えられるもの

今の仕事では、環境面からアプローチできるところにやりがいを感じています。

リハビリはフィジカルの部分に関わる仕事ですが、福祉用具は生活環境を整えることで、その人の暮らしを支える仕事だと思います。介護予防という意味でも、環境から関われるのは、福祉用具ならではの部分だと感じています。

福祉用具の魅力は、大きく言えば、すぐに生活を変えられることです。

リハビリは、筋肉がつくにしても時間がかかります。でも福祉用具は、そこに置くことで生活が変わることがあります。できるようになることがあります。そこが、福祉用具の大きな魅力だと思っています。


ロジケアはみんな同じ方向を向いている

ロジケアは、「骨を埋められる会社かな」と思っています。

もちろん、どこの会社にもすべてが完璧に整っているということはないと思います。それでも、ロジケアの理念や組織の在り方を考えると、これからも長く働き続けたいと思える会社です。

ロジケアでいいなと思うのは、どの職種も向いている方向が一緒だと感じるところです。

利用者さん主体で考える。そして、ご家族のことを考える。そういう方向性が明確にあると思います。理念的なところも共有されているので、共感しやすいですし、動きやすいです。

相談しても、同じ方向性で話ができると感じています。

上司や先輩、社長との距離も比較的近い会社だと思います。不安を相談しやすいこと、共有しやすいことは、自分にとって安心につながっています。

在宅に出ると、リハビリだけでなく、いろいろな職種を知ることができます。病院にずっといると、ヘルパーが何をしているのか、定期巡回とヘルプの違いは何なのか、わからない部分もあると思います。

そういうことを学べるのは、ロジケアの強みだと思います。

最終的に、病院が合っているなら病院に戻ってもいいと思います。でも、在宅を経験することで見えることはあると思います。