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イベントレポート

福祉用具専門相談員が店頭に立つ「ロジケアプラウド」

2025.11.01 Sat

芦屋駅前のスーパーの一角に、「ロジケアプラウド」という小さな介護グッズショップが2025年4月にオープンしました。店頭に立つのは、介護士の経験を持つ福祉用具専門相談員の私・澤です。杖やグッズを売るだけじゃない──ちょっとユニークなお店です。

ステッキを“おしゃれ”に楽しめたらいい

「ステッキは歩行補助具というより、おしゃれを楽しめるものにしたい」。この店の始まりは、そんな社長の思いからでした。

いわゆる介護の道具というより、服やアクセサリーを選ぶように杖を選べたら素敵だよね──。それでいて、転倒予防にもつながるならなお良い。そんな考えのもと、社長がイギリスのクラシックケインズ社と直接やり取りをして、輸入が始まりました。

クラシックケインズのステッキは、上品で、持つ人の気分を高めてくれるデザインばかり。「おしゃれを我慢しなくていい」「杖を持つことを誇りに思える」。その考え方が、この店の原点です。

スーパーという“日常の中の立地”で

ロジケアプラウドは、芦屋のコープの地下にあるインショップです。路面店ではなく、スーパーマーケットの中にあることで、「えっ、こんなところに杖屋さんが?」と驚かれることも多いです。

でもその驚きこそ、私たちが狙っていたことでもあります。目につく場所にあることで、気軽に立ち寄ってもらえる。「買い物ついでに」「息子や娘と一緒に」「お孫さんと遊びに来たついでに」──そんな風に来てくださる方が本当に多いんです。

杖を必要としているのは高齢の方だけではありません。スポーツで膝を痛めた30代・40代の方、病気で足を悪くされた方など、思った以上に若い世代の方も来られます。「かわいい」「これなら持ちたい」と言ってくださるお客様が多いのは、うれしいですね。杖以外にも、介護シューズやシルバーカー(サイドカー)をプレゼント用に購入される方など、年齢を問わずいろんな方にご利用いただいています。

介護用品の専門店ロジケアプラウド

作業療法士や福祉用具専門相談員の専門職が店頭に立つ意味

このお店のいちばんの特徴は、「専門職が店頭に立っていること」だと思います。

杖を販売しているお店は他にもありますが、正しい長さで使えている人は意外と少ないんです。短すぎたり、長すぎたりするだけで、歩き方や姿勢が大きく変わってしまう。だから私たちは、杖を渡す前に必ず歩行姿勢を見て、調整します。

「あと1センチ高いほうがいいですね」
「もう少し手首を下げてみましょうか」
そんな細やかなアドバイスができるのは、やはり福祉用具専門相談員としての視点を持っているからです。

ときには、杖ではなく別の選択肢をおすすめすることもあります。たとえば「それだけ体を支える必要があるなら、歩行器を借りた方が安全ですよ」とお伝えする。“売ること”を目的にせず、“その人の生活を支えること”を優先するのが、私たちのスタンスです。

相談をきっかけに、「実はトイレの手すりでも困っていて…」「靴の選び方がわからない」など、話が広がることもよくあります。そこからケアマネジャーさんや在宅サービスにつながることもある。“ものを売る”ではなく、“暮らしに寄り添う”ためのショップなんです。


芦屋に少しずつ浸透してきた「ロジケア」という名前

ロジケアという会社は、芦屋市で在宅介護や看護の事業を展開しています。その名は、地域の中で少しずつ広く知られるようになってきました。

ロジケアの名前は、バスの車内広告やバス停副名称広告などを通して少しずつ知られるようになり、地域での認知も高まってきました。訪問サービスをご利用中の方が店に来られることもあります。
「今日うちにリハビリ来るねん」「ヘルパーさんに世話になってるよ」
そんな会話が生まれるのも、この地域ならではの光景だと思います。

介護用品の専門店ロジケアプラウド


準備からオープンまでの奮闘

ロジケアプラウドがオープンしたのは2024年春。準備の段階では、本当に大変なことがたくさんありました。

イギリスから届いた杖はなんと約2,000本。倉庫が段ボールで埋まってしまって、最初は「200の間違いじゃないですか?」と思ったほどです。それくらい、社長がクラシックケインズの杖に価値を感じ、力を入れていたということなんだと思います。

開業前は、仕入れ・値付け・レイアウトなどを何度も打ち合わせして、ようやく形にしました。準備に時間がかかった分、ようやく形にできたときには、ほっとした気持ちがありました。

いまも少人数で、店舗業務と福祉用具専門相談員としての通常業務を行き来しながら動いています。「店舗1人、通常業務1人」といった体制で、日々てんやわんやで回していますが、それでもこの店を続けていく意義を感じています。


「プラウド(誇り)」という名前に込めた思い

“プラウド”という店名は、ロジケアの佐野社長が名付けたものです。「誇り」という意味ですが、それは私たちスタッフだけでなく、杖を手に取る利用者さん自身の誇りでもあります。杖を使うことをネガティブにとらえてほしくないという思いが込められています。

杖を持つことで外に出られるようになったり、友達とまた会えるようになったり──。そうやって生活が広がっていく姿を見られることが、私のいちばんのやりがいです。

杖1本で、人の暮らしが変わる。
「この杖なら、花見に行きたいな」
「これを持って外に出ようかな」
そんな言葉をもらうたびに、ああこの仕事をしていてよかったなと思います。

私が大事にしているのは、在宅で暮らす人の“理由”に寄り添うこと。「家で暮らしたい」という思いを支えるために、環境を整える。それが私たちの仕事であり、ロジケアという会社の原点でもあると思います。

「プラウド」という名前には、そんな“誇り”と“尊厳”の意味が込められています。杖を通して、その人らしい暮らしを支える。それが、私がこの店で大切にしていることです。

杖を買うその理由に耳を傾ける杖屋さん

ロジケアプラウドは、ただの杖屋さんではありません。
介護や福祉の専門職が、暮らしの中で困っている人に寄り添う場所。芦屋のまちに根づいた「相談できる杖屋さん」として、これからも地域に誇りを持って立ち続けたいと思います。

Written by
福祉用具専門相談員/管理者 
澤 由佳 Yuka SAWA


介護用品の専門店ロジケアプラウド