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PTふたりが語る、訪問リハビリのREAL [後編]生活を支えるためにPTができること

2026.05.26 Tue

訪問リハビリは、利用者さんの自宅に一人で訪問する仕事です。
病院のようにすぐ隣に医師や看護師がいるわけではなく、情報も自分から取りにいく必要があります。一方で、ロジケアには看護師、介護士、ケアマネジャー、福祉用具専門相談員など、さまざまな職種がいます。
後篇では、理学療法士の中村さんと末谷さんに、訪問リハビリならではのリスク管理、多職種連携、働き方、そして職場の雰囲気について聞きました。

末谷 拓麻 氏 理学療法士

ロジケア歴4年。病院、整形外科クリニック勤務を経てロジケア入職。趣味はトレーニングジムで身体を鍛えること。

中村 康章 氏  理学療法士

ロジケア歴2年。病院や老人ホームでの訪問看護を経てロジケア入職。休日はロードバイクで遠乗りへ。

急変への不安。在宅だからこそ、普段からの連携が大切になる

記者

訪問ならではの不安として、急変への対応もあると思います。

中村

急変していたらどうしよう、というのは訪問あるあるだと思います。

僕は急性期に長くいたので、目の前で急変する患者さんもたくさん見てきました。対応にはある程度慣れていたと思います。

ただ、病院に勤めていても、リハビリ職が心臓マッサージのような本当の救命処置をする場面は、10年いても一回あるかどうかなんです。そういう場面が訪問で起こる可能性を考えると、大きな心配事にはなると思います。

でも、ロジケアはその場で相談しやすいですよね。

末谷

そうですね。普段から急変がありそうな利用者さんについて看護師さんと連携できていれば、いざというときも冷静に対応できるかもしれません。

記者

実際に急変の場に立ち会ったことはありますか?

末谷

僕はロジケアではまだないですね。

中村

僕は急変というより、明らかに調子が悪くなってきているなとわかって、看護師さんに来てもらって相談し、救急搬送につないだ方はいます。

この間も、少し怪しいなと思ったときに看護師さんに連絡して、先生にも来てもらって、救急搬送になった方がいました。

「家に帰れた」その先の目標設定が難しい

中村

病院に勤めていたときは、「早く家に帰りたい」「やっぱり家がいい」という方が圧倒的に多かったです。それをモチベーションに頑張ってくれる人もたくさんいました。

末谷

訪問では、目標設定が難しいかもしれません。

家に帰ることは叶っているわけです。そこから「何がしたい」という明確な目標があればいいんですが、ない方もいます。そういう方とリハビリを継続していくのは、難しい点かもしれません。

中村

僕たちとしては、「ここがもう少し良くなったら楽になるんじゃないかな」と思っていても、ご本人としては「別にもうこれでできているからいいよ」と言われることもあります。

急性期だと、手術後すぐの方などは時間が経てば痛みが取れて、自然と動きやすくなる部分があります。でも訪問では、ある程度状態が落ち着いている中で、「どこを良くしていくのか」を考えないといけない。

あるいは、今の状態を維持すること自体が目標になっている方もいます。そうなると、モチベーションを保ちにくいこともありますね。

末谷

最近は本当に年齢も上がっています。平均で80代後半くらいの感覚がありますね。

中村

90代の方も多いです。二人で一緒に見ている方で、99歳の方もいます。とりあえず100歳の誕生日を迎えることを目標にしています。

記者

その方は寝たきりではなく?

末谷

全然動かれています。家の中では歩行器を使っていますけど、今日も外を歩きました。

中村

むしろ出て行きたくて仕方がない方です。

末谷

冬場は外に行くのが難しいんですが、今はチャンスだと思って、今日は外歩きをしました。

中村

暑すぎず寒すぎずの時期って、少なくなっていますからね。真夏は気温が40度近くなることもありますし、外に出ること自体がリスクになる場合もあります。

病院より情報が少ない。だから自分から取りにいく

記者

病院には医師や看護師、相談員などが同じ建物の中にいます。訪問でも多職種が関わりますが、感覚は違いますか?

中村

医師や看護師とやりとりできる部分はありますが、医師とのやりとりという意味では違いがあります。

往診の先生ならまだやりとりしやすいですが、病院に通われている方の場合、その病院の先生と直接やりとりすることはほぼなくなります。

検査値やレントゲンも、利用者さんを通して出してくれる先生もいれば、そうでない先生もいます。僕たちにとって関節の情報や脳の状態はすごく大事ですが、そういう情報が得られにくくなることはありますね。

末谷

情報量は圧倒的に少ないです。

僕の利用者さんで、肩を痛めている方がいました。定期受診があったので、主治医に聞いてきてほしいことを手紙に書いて、それを利用者さんに渡してもらいました。それで返事が返ってきたことがあります。

そういう工夫をしないと、情報が入ってこないですね。

中村

求めに行かないとだめですよね。病院なら自分でパッと検査値を見ることができますから。

末谷

でも、利用者さんやご家族と一緒に情報を共有できるという面もあります。

「こんな感じなんだ」と一緒に確認できるので、ご家族の信頼にもつながるかもしれません。

中村

検査値なども、先生から説明は受けているんですが、その場では噛み砕く時間がなかったりします。

僕たちが一緒に見て、「こういうことを言われましたか」と話すと、「そういえば言っていました」とか、「それはどういうことなんですかね」と聞かれることもあります。

医師よりも、リハビリスタッフの方が話しやすいと感じてもらえることもあるのかもしれません。だからこそ、自分たちが知識を持っていないと説明できないですね。

家族さんと利用者さんの間に立つことも、訪問リハビリの仕事

記者

訪問リハビリの楽しさを伝えるとしたら、どんなところでしょうか。

中村

最初に話したように、実際の暮らしの中で関われることは大きいです。

それと、病院との大きな違いは、ご家族と接する時間ですね。そこも楽しみの一つです。いろいろな話を聞かせてもらいますし、時には患者さんとご家族の意見の間に立つこともあります。

末谷

板挟みになることもありますね。でも僕は、それも結構面白いと思っています。どううまくコントロールするか、という感じです。

記者

例えば、運動してほしいご家族と嫌がっている利用者さん、あるいはその逆もあるんですか?

中村

ありますね。

末谷

全然あります。

例えば、家の中で車椅子を操作したい利用者さんがいます。でも皮膚に傷があって、その状態で車椅子を操作すると擦れてしまうかもしれない。ご家族としてはやめてほしい。でも利用者さんは自立したいし、頑張りたい。

そういうときは看護師さんと皮膚の状態を確認しながら、どうするかを決めていきます。

中村

転倒が増えてきている方で、ご家族は「一人で出歩くのはやめてほしい」と思っている。でもご本人は「これぐらいなら大丈夫」と出ようとして、また転倒してしまうこともあります。

その間を取り持つことは多いですね。

記者

その場合、どういう立場で話をまとめていくんですか?

中村

医学的な見地から、必要性は双方に伝えないといけません。

それが可能なのかどうか。動くとなると危険性は必ず発生するので、その危険性をどこまで許容するのか。そこをすり合わせていくのが、僕たちの役割になることが多いと思います。

安全が担保できるのか、逆に危険性が高いのか。それを話した上で、どこに落としどころを持っていくか。「これぐらいは譲ってほしいですね」と話すこともあります。

ハラスメントや暴言への対応。原因を見ながら、許容してはいけないことは線引を

記者

訪問では、暴言や暴力を受けるといったことはありますか?

末谷

ありますね。認知症の方で、実際に殴られることもあります。僕は痛くなかったですけど。

中村

許容していいところと、許容してはいけないところはあります。

暴言についても、ご本人がわかって言っているのかどうか。認知症が強くなってきて、自分の家にいるのに「よそに連れてこられて監禁されている」と思っている方もいます。

その方からすると、監禁されていると思っているわけですから、脱出しようとするのは当然とも言えます。だから、暴言の原因や理由を見ることも大事です。

理不尽なことは許してはいけません。でも、原因があるものに対しては、何かしらの対策を立てていかないといけない。そのためにケアマネジャーさん、看護師さん、お医者さん、そして僕たちがいると思っています。

末谷

女性スタッフがそういう方を担当した場合でも、暴力やセクハラがあるなら男性スタッフに切り替えることはできますね。

中村

そこはロジケアとして決然と対応していると思います。

働き方の変化。残業が減り、仕事と休みの切り替えがしやすくなった

記者

働き方はどうですか?残業や早朝対応など、以前の職場との違いはありますか?

中村

僕は妻から「早く帰ってくるようになったよね」と言われるようになりました。

前職では役職についていたので、後輩の指導や確認をしてから自分の仕事をしていました。20時、21時になることもありましたし、研修資料を作っていて22時になることもありました。

そういう残業はなくなりましたね。極端に言えば、家でもカルテを書くことができますし、直行直帰できるのも大きいです。

末谷

僕はクリニックのとき、拘束時間がかなり長かったです。昼休みが長い分、夜のリハビリもしないといけなくて、リハビリが終わるのが20時というのもよくありました。

そこからカルテを書いたり、資料作成をしたり。家に持ち帰ってする仕事や自己研鑽も多かったです。

ロジケアに来てからは、9時から18時で仕事をして、そこまで残業を感じたことはないですね。書類作成もそんなに多くないです。

中村

病院だとカンファレンスや書類を毎週作らないといけなかったり、クリニックだと新患さんが多くて計画書も随時書いたりします。

今は基本的に月末月初が中心なので、書類や事務作業の負担はかなり減ったと感じます。

末谷

クリニックでは20分でリハビリを回していて、一日20人以上見ることもありました。月に100人くらいの計画書を書かないといけないこともありました。

今は複数名で担当していることも多いので、計画書や報告書も協力して作れます。書類作成が大きな負担だと感じることは少ないですね。

中村

病院では委員会もありました。安全管理、栄養、人材育成など、リハビリ業務の合間を縫って参加して、戻ってまたリハビリをする。そういう時間がなくなったのも大きいかもしれません

末谷

ロジケアは仕事と休みがきっぱり分かれているので、土日はしっかり休めます。そこはいいですね。

スタッフが多いから、相談がしやすい

記者

ロジケアさんはリハビリ職が多い方なんですか?

末谷

多いと思います。

中村

尼崎、芦屋、明石にリハビリスタッフがいますし、最近は三田方面にも行っています。エリアも広がっていますね。

記者

人数が多いことのメリットは何でしょうか。

末谷

どうしてもという急な休みがあったとしても、代行に行ってもらいやすいことですね。

中村

一人だと難しいですけど、人数がいれば調整しやすいです。お休みを取るときも、事前に同行してもらっておいて、その日だけお願いすることもできます。人数が多いことの大きなメリットだと思います。

末谷

普段から同行や見学に来てもらっていたら、より代行に行ってもらいやすいです。なるべくそういうことはしています。

ロジケアの強みは、多職種にすぐ相談できること

記者

最後に、転職を考えているセラピストに向けて、訪問やロジケアをすすめるとしたら、どんな言葉になりますか?

中村

何に悩んで転職しようとしているかによると思います。

環境としては、ロジケアに入ってまだ2年くらいですが、すごくいいなと感じています。スタッフ間の仲の良さもありますし、社長や部長との距離感も近いです。意見をなんとか吸い上げようとしてくれている感じがあります。

もちろん、すべてがうまくいくわけではないと思います。でも、そういう姿勢があるのは、いい職場だと感じるところです。

患者さんを見る上で変化を求めているなら、訪問は一つ大きな変化になると思います。ただ、リスク管理などは病院でしっかり学んでおいてほしい部分でもありますね。

末谷

ロジケアの強みは、リハビリ、看護、介護、ケアマネジャーさんがいて、福祉用具専門相談員もいることです。すぐ相談できるのがありがたいですし、そこは強いと思います。

中村

横にいて、すぐ声をかけられますからね。

福祉用具についても、僕は少し手伝っていたことがあるので、福祉用具のスタッフと仲が良くて。「こんな器具はありますか」「こういうものが欲しいんです」と聞いたら、すぐ答えてくれます。すごくありがたいですね。

記者

最後に、お互いの良いところを一つずつ教えてください。

中村

末谷さんは、周りをちゃんと見てくれるところがすごいなと思っています。

二人で明石の職場を盛り上げていこうという部分がありますが、その中で周りを見てくれる。僕もまだロジケアでは2年なので、訪問の制度的なところや、ロジケアの中で見ておいた方がいいことを教えてくれるんです。

そこはすごくありがたいですし、助かっています。

末谷

僕はロジケア歴でいうと中村さんより少し長いかもしれませんが、キャリアとしては中村さんの方が先輩です。

臨床的なことも聞けますし、いい助言をしてもらえる。明石に来てもらってよかったなと思います。

中村

お互いに、知っている部分に対してリスペクトを持って関われているのは、明石も含めてロジケアのいいところだと思います。