ひと
インタビュー・
クロストーク
2026.08.20 Thu
施設から訪問介護へ転職して半年ほど。
今は1日7件前後の訪問をしながら、利用者さんの生活に直接関わっています。
もちろん、訪問なのでバイクで移動。
夏は暑いですし、冬は寒いです。
一人で訪問することへの不安はないのか。仕事のやりがいや、1日の働き方について、
実際に施設介護から訪問介護へ移って何が変わったのか。僕自身が感じていることをお話しします。

僕はもともと、福祉系の学校を出たわけではありません。介護職になる前は、施工管理や営業の仕事をしていました。
その後、知り合いに介護の仕事をしている人がいて、話を聞くなかで「ちょっとやってみたいな」と思ったことが、介護の仕事を始めたきっかけです。
そこから施設で約6年間働きました。
施設介護を経験するなかでもっと一人ひとりの利用者さんと近い距離で関わりたい感じるようになりました。
施設では、どうしても時間に追われます。
たとえば職員3人で、20人以上の利用者さんに対応するような状況では、一人の方だけに長く時間を使うことはなかなかできません。
もちろん施設にも施設のよさもやりがいもありますが、僕自身はもっと1対1で直接利用者さんに寄り添う仕事をしてみたいと思うようになりました。
実際に転職してみて、施設介護と訪問介護で、僕が一番大きく違うと感じるのは、
やっぱり利用者さんとの距離です。
訪問介護も、もちろんサービスの時間は決まっています。ただ、その時間は基本的に利用者さんと僕の1対1です。直接話をして、困っていることや問題があれば、それに対して一つひとつ考えていくことができます。
簡単に解決できることばかりではありません。難しいこともあります。
だからこそ、自分が関わったことで何かがうまくいったときには、すごくやりがいを感じます。

今の僕は、だいたい1日7件、多い日で8件ほど利用者さんのお宅を訪問しています。訪問時間は1時間のところもあれば、30分のところもあるので、スケジュールは日によってさまざまです。
早い日は朝8時ごろから訪問が始まり、夕方6時ごろまで回るような働き方です。
以前は電車で事務所まで通勤して、そこからバイクに乗り換えて訪問していました。今はバイク通勤に変わったので、最初の訪問先へそのまま向かうこともあります。
訪問と訪問の間に時間があれば、事務所へ戻って事務作業をします。
訪問が終わる時間によってはそのまま帰宅できることもあります。訪問先へ直行直帰ができる分、自分の時間に使えるようになったのは大きいですね。
昼休憩も、時間があれば事務所へ戻りますし、それほど時間がなければ近くの公園でご飯を食べることもあります。
僕は、この「訪問と訪問の間」が結構好きです。
施設では、基本的にずっと同じ建物のなかにいて、利用者さんや職員と常に同じ空間で仕事をします。訪問介護の場合は、次のお宅へ向かうための移動時間があります。
もちろん仕事中ではありますが、その時間に少し気持ちを切り替えられます。この移動時間が僕にとってはいいリフレッシュになっています。

施設介護から訪問介護へ転職するとき、「一人で利用者さんのお宅へ行くのが不安」という人もいると思います。
僕自身は、もともと介護の仕事がしたくてこの仕事を始めていたこともあって、訪問介護へ移ることに大きな不安はありませんでした。
ただ、実際に働いてみると、施設との違いはあります。施設であれば、同じフロアにほかの職員がいます。困ったことがあれば声をかけて、臨機応変に動くことができます。
訪問介護では、利用者さんと基本的に1対1です。その場では自分で考えて対応しなければならないこともあります。
最初のころは、時間配分などで困ることもありました。
でも、だからといって完全に一人で仕事をしているわけではありません。何かあれば事務所へ連絡できますし、スマホでもほかのヘルパーやスタッフとやり取りできます。
利用者さんに発熱があったり、いつもと違うことがあったりすれば、訪問前に共有されている情報を確認してから向かいます。そういう体制があるので、特に不安なく仕事ができています。
最初は同行してもらいながら利用者さんのお宅へ行き、仕事を覚えていきました。
1週間の訪問スケジュールはある程度決まっているので、同じ利用者さんへの訪問を重ねながら少しずつ慣れていきます。一人でも行けそうだと思えば、そのことを管理者に伝えて、徐々に同行が外れていくという流れでした。
僕自身が「慣れてきたかな」と思えたのは、だいたい1カ月くらいだったと思います。
最初は道を覚えるのにも少し苦労しました。僕は道を覚えるのがあまり得意ではないので、そこは最初少し大変でしたね。
でも今では、いつも行っている利用者さんのお宅なら、地図を見なくてもだいたい行けるようになりました。

訪問介護に来て、施設ではあまり経験していなかった仕事の一つが生活援助です。料理などもその一つ。
僕の場合、料理をすること自体にはそれほど戸惑いはありませんでした。ただ、最初に少し考えたのは味付けでした。味の濃さや薄さの好みは、一人ひとり違います。
「これで大丈夫かな」と考えることはありました。
訪問介護では、自分ができるかどうかだけではなく、その利用者さんにとってどうなのかを考える必要があります。そういう部分も含めて、利用者さん一人ひとりと関わる仕事なんだと思っています。
訪問介護をしていてうれしいのは、やっぱり利用者さんから直接言葉をもらったときです。
「あなたがいいわ」
「あなたが来てくれると助かる」
そういうプラスの言葉をもらえると、「頑張ってきてよかったな」と感じます。
目の前の利用者さんから直接そう言ってもらえることは、この仕事をしていて感じる大きなやりがいの一つです。

訪問介護では、仕事中にずっとスタッフ同士が同じ場所にいるわけではありません。
でも、僕が働いている事業所は、スタッフ同士の距離が近いと感じています。
僕自身、最初は結構緊張するタイプなんですが、周りの人から話しかけてもらえたこともあって、比較的早く打ち解けることができました。
入社して間もないころは、面談もかなりこまめにありました。
「もう面談のタイミングなんや」というくらいのペースだった記憶があります。
道は覚えられているか。
バイクでの移動に不安はないか。
訪問先で困っていることはないか。
これからどんなことを目指したいか。
そういうことを話していました。
普段だと自分からは少し聞きづらいことでも、あらかじめ「話す場」が用意されていると相談しやすいです。ちゃんと見てもらえていると感じられたのは、ありがたかったですね。
施設のように、すぐ隣に別の職員がいるわけではありません。
でも僕は、働いていて「一人だから不安だ」と感じることはほとんどありませんでした。
困ったことがあれば管理者やほかのヘルパーに相談できますし、助けてもらえます。
僕自身、そうした環境があることで、かなり働きやすいと感じています。

これからについては、まずサービス提供責任者も経験してみたいと思っています。
介護福祉士を取ってまだ2、3年なので、経験を重ねて、将来的にはケアマネジャーの資格にも挑戦したいです。
何か一つだけを目指しているというより、介護に関係する資格や仕事で、取れるもの、経験できるものにはできるだけ挑戦したいという気持ちがあります。
ケアマネジャーになれば、自分で利用者さんのケアプランをつくる仕事にも関われます。
施設介護を経験して、今は訪問介護。
これから先も、介護の仕事のなかで自分にできることを少しずつ増やしていきたいと思っています。